キングセイコーバナック

キングセイコーバナック（KING SEIKO VANAC）は、1970年代前半に登場した自動巻き腕時計のラインで、独特で型破りなデザインが特徴です。
すべてのモデルにはメタルブレスレットが組み合わされており、多面カットされた風防（クリスタル）が採用され、文字盤にさまざまな色調と光の反射が楽しめる仕様になっています。

個性的な形状を持つケースは丁寧に仕上げられており、ムーブメントもまたハイレベルな品質を備えています。これはキングセイコーシリーズの中でも最上位に位置づけられていたためです。
比較的短い生産期間にもかかわらず、当時のカタログ上に 50 を超える型番（リファレンス）が記録されています。

キングセイコーバナックの導入

1972年6月、セイコーは日本国内市場に「VANAC」ラインを投入しました。以下は、その最初のモデル投入時にセイコー正規取扱店向けに提供された情報です。

ヤングをとらえるテーマ商品が勢揃い

SEIKOでは、キャンペーンのテーマ商品として

新製品　バナック
新製品　アドバン
ニューモデル　ジョイフル

を、新たに投入いたします。

製品紹介のページでご覧の通り、これまでのスタンダード・タイプのウォッチのイメージを大きく変えてしまうほど、斬新な感覚の製品です。
これらの新製品が

ロードマチック
ブレスレット
ドレスウォッチ
ファンシーウォッチ

とともに、時計の新しい魅力を強力に訴え、新しい需要を創造してゆきます。

バナック（SEIKO VANAC）は、現代感覚にマッチした、斬新なフィーリングをもつウォッチにふさわしく、男性的・活動的・大胆・ゆとり、そしてシャープなイメージを追求しながら創作された全く新しいネーミングです。

キングセイコーバナック 52KS SPECIAL

第二精工舎製の 52KS 系列のバナックは、28,800振動/時の 5246 および 5256 キャリバーを搭載し、手巻き機能やハック機能（秒針停止）を備えています。「Special」と表記されているのは、高精度仕様のムーブメントであることを示しています。
以下は 1972 年から 1975 年にかけて日本国内で発売された各リファレンスです。

キングセイコーバナック 56KS

諏訪精工舎製の 56KS 系列のバナックは、28,800振動/時の 5626 キャリバーを搭載し、手巻きとハック機能を備えています。
以下は 1972 年から 1975 年にかけて日本国内で発売された各リファレンスです。

日本国内カタログに掲載されたモデル

キングセイコーバナックシリーズのモデルは、日本国内で 1972年から 1975年にかけて発行されたセイコーのカタログに掲載されています。年ごとの掲載写真を見比べると、同じリファレンスでも異なるブレスレットが組み合わされている例があることがわかります。
以下に示すのは、バナックシリーズのモデルが掲載されているカタログのページです。

1972年 セイコーカタログ:

1973年 セイコーカタログ 第1巻:

1973年 セイコーカタログ 第2巻:

1974年 セイコーカタログ 第1巻:

1974年 セイコーカタログ 第2巻:

1975年 セイコーカタログ 第1巻:

1975年 セイコーカタログ 第2巻: